疑義照会は、薬剤師法24条に定められた薬剤師の義務です。医薬品を適正に使用し、患者さまの健康被害を防ぐための、重要なプロセスです。
処方医師と薬剤師のコミュニケーション
薬剤師と処方医師との間のコミュニケーション手段は、電話、FAX、メールなど、いろいろな方法があります。
疑義照会を行う調剤薬局では、患者さまにお待ちいただいて照会を行うため、処方医師と迅速なコミュニケーションを取る必要があります。
外来診療の ”流れ” と ”リズム”
一方で、外来診療には流れがあり、リズムがあります。自動車を走らせるのと一緒で、診療中に一度流れが中断すると(自動車を止めると)、もとの診療の流れに戻るのには、中断時間以上の時間がかかります。
疑義照会への対応は、この流れとリズムを妨げないように、一人の患者さまの診療が終わり、次の患者さまの診療を始めるまでの時間で行いたい、というのが医師の本音です。
往診先での疑義照会対応
電話やFAXで診療所に疑義照会の連絡が入り、その時点で医師が往診中の場合、疑義照会への対応フローは、さらに複雑になります。
この場合の疑義照会対応は、往診医が往診先から戻ってから行うか、診療所のスタッフを介して疑義照会内容を往診先に伝達するか、調剤薬局から往診医の携帯電話に再度連絡する必要があります。疑義照会に要する時間と労力が増加し、情報伝達エラーのリスクが高くなります。
疑義照会の連絡手段ごとの特徴
疑義照会の連絡手段には、手段ごとに以下のような特徴があります。
照会内容と緊急性によって、連絡手段を使い分けることで、処方医師と調剤薬局との円滑なコミュニケーションが可能となります。
電話 | FAX | メール | メッセンジャー | |
情報伝達エラー | 口頭伝達のため リスクあり | 書面のため エラーは生じにくい | テキストのため エラーは生じにくい | テキストのため エラーは生じにくい |
情報伝達の記録 | 録音しなければ 残らない | 残るが 用紙保管が必要 | 残る | 残る |
受信者の業務中断 | あり | なし | なし | なし |
受信者の場所 | 電話のある場所に いる必要がある | FAXのある場所に いる必要がある | モバイル端末で受信出来れば、 場所の制限はなし | モバイル端末で受信出来れば、 場所の制限はなし |
連絡速度 | 迅速 | 受信に気付かなければ 返信が遅れる | 受信に気付かなければ 返信が遅れる (受信通知は設定可能) | 受信に気付かなければ 返信が遅れる (受信通知は設定可能) |
送受信作業の労力 | 容易 | 紙を用いるためやや煩雑 | 文面入力の必要あり | 文面入力の必要あり |
通信コスト | 電話料金 | FAX料金 | インターネット通信料金 | インターネット通信料金 |
個人情報の漏洩リスク | 少ない | 少ない | 少ない | 使用するアプリケーションによる |
弊社のDXコンサルティングサービスでは、低コストの汎用ITツールを活用することで、診療所・調剤薬局の双方にとって、より円滑で迅速な疑義照会を行うためのコミュニケーション方法の構築をお手伝いします。まずは、従来の電話・FAXなどのコミュニケーション手段に加えた、連絡手段のひとつとしての利用をご検討ください。
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